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木鳩屋雑記

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不測の事態

朝、時間が少しあったので庭の松をぱっちんぱっちんと剪定していると、
右手親指付け根を蜂に刺される。
慌てて軍手を脱いで刺し痕を思いきり噛むが遅し。
傷口から動悸が打つような痛さ。しびれるのと似た感じ。
母に「刺された」と泣きつくと、内科に行ってすぐ注射をうってもらえと言われる。
片付けもそこそこに、徒歩1分の内科医院へ。

受付で「蜂に刺されました」と言うと、「じゃあすぐ見てもらったほうが」と順番を飛び越して診察してもらう。ありがたい。

先生「蜂はミツバチでした?アシナガバチ?スズメバチ?」
私「ミツバチではありませんでしたから、アシナガバチかスズメバチのどっちかです」
蜂が違うと出す薬が違うのだろうか…などと思いつつ答える。
(これについては帰宅してから母とアシナガバチとスズメバチの見分けがつくかで頭をひねらす。二人とも曖昧なのであった。)

グリセリンだかグリコーゲンだか何かの注射をぷつっと打ってもらうなり、
右手の動悸がすーっとおさまった。おそるべし西洋医術。
あとには腫れと痛みが残ったが、これも実生活に支障があるほどではない。
ただ右手がぷっくりしてえくぼまでできて、ずいぶんとかわいくなってしまった。

私の母は手を何度か蜂に刺されており、そのたびに赤子のようなというかグローブのようなというか、そういうふくらんだ手になってしまったので、このたび蜂に刺された瞬間私の頭をよぎったのは「グローブ状になった自分の右手」であった。
そんな手じゃ作業もできゃしねぇ。
せめて指は腫れないでくれ!
と祈りが通じたのか、対応が速かったのが幸いしたのか、私の手はグローブにならずに済み、明日からの仕事も大丈夫そう。
よりによって手に傷なんか…と、まったく生きた心地がしなかったです、待合室で。
こういう不測の事態が生じるたびに私の脳裏では、「廃業になった時の手順てびき」が書き加えられてゆくのであった。

家に帰ってさきほどの松をよーく観察してみたところ、ありました、蜂の巣とそれにさばりつく蜂が一匹。
母はさっくりと殺虫スプレーで昇天させておりました。
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by kobatoyakigashi | 2007-05-31 21:55 | 与太話 | Comments(3)

スカボロー・フェア

ご近所さんと「今日みたいな陽気だと、眠気がついちゃいますねぇ~」と挨拶する午後。
こんな暇で時間がたーっぷりあって、気温も上々(??)となれば、パンかしらん。
というわけで、今日の午後はパンを焼きました。久しぶりです。

f0131641_20333677.jpg
2種類。
プレーンな食パンと薬草パン。
奥の大きいのがプレーン、
手前二つの山山しいのが薬草パン。


今日こそは今日こそはといつも食パンを角食にすべく、試行錯誤はつづきます。
堀井和子さんのレシピ。
しかし今日も報われず、山食どまり。
発酵には最適の気温だし、調子が良さそうだったのになぁ。
釜のび(焼成時に生地がぐっと持ち上がることです)がいまいちなのです。

薬草パン、本名ハーブブレッド。
乾燥タイムと乾燥オレガノを混ぜたもの。『トラピストの素朴なお菓子たち』より。
ハーブを計量せずばさばさ混ぜてしまうので、うすら苦く、いやに薬っぽい味になってしまった。でもなんであれハーブの香りを好むので、苦いのは平気。おいしい。

堀井さんの配合はバターが入らないので、発酵のみきわめが難しいのであろうか。
薬草パンには少しバターも入ります。すると生地の状態もきれいだし、焼成の釜のびもよい。
ほんの大匙一杯ほどのバターでこうも違うものか、というくらい違う。
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by kobatoyakigashi | 2007-05-29 20:48 | 試作新作 | Comments(2)

流転

閉店後、岡山まで足をのばし映画をたのしむ。
画家奈良美智さんのドキュメンタリー映画。

f0131641_0542730.jpg奈良さんの故郷・弘前で開催されたエキシビション「A to Z」を最終地点にもってきて構成される。
この映画を先に見ていたら間違いなく青森に行っていただろうと思うだけに、我が身の腰の重さが腹立たしい。せっかく同時代に生きているというのに。
あぁ残念だったなぁ。
弘前、楽しかっただろうなぁ。ちぇっ。

「昔は描けなかったことが今は描ける。
でも、昔描けたことが今は描けない。
それがいいことか悪いことかはわからないけれど、
ずっと同じことを描くというのもね。」と奈良さんは言う。
人は変わるのです。どうしたって。


異国の小さな女の子に「私は画家になりたい」と言わせる何かとは何だろう。
真っ白な画面に輪郭と色を何重にも重ねてゆく作業は、
「えがく」というよりはむしろ
「彫りだす」に近いように見えた。彫刻のようであった。

そしてそして弘前弁をあやつる奈良さんは、すごーく良かった。
土から生まれた言葉をしゃべっている感じがした。方言の力!
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by kobatoyakigashi | 2007-05-26 23:51 | 与太話 | Comments(2)

よじれ

連休前から後生大事に抱え込んでいた腰痛・肩こり・首の痛み・眼精疲労等等を解決すべく、整体へ。
脂汗をだらだら流しながら(とても痛いのです)、体のゆがみやこりをほぐしてもらう。
施術後は、昨日までの体の重さが嘘のような爽快感。
「かなりからまっていましたね」と先生曰く。こりがからまるという意味だろうか…。

体が痛い痛いと思いはじめると、ぎっくり腰までいくとさすがにやばいと思うからか、
大抵用心しながら仕事をするようになる。
パソコンも目に悪いから控えようとか。
しかし痛みもある地点を過ぎてしまうと、「もうどうなったってかまうもんか!」という自暴自棄な気分になってしまい、痛いのがなんだっていうんだ!俺の体だ!動け!動きやがれ!といつも以上に過酷な作業を組んだりしてしまう。
どこまでこの体を酷使できるものだろうかという人体実験のような気持ち。
なんだかサディスティックだなぁ。

しかしそういうのはやはりほどほどにしておかないといけない、と複数の人に忠告を受けて、
私もそう思うので、あまり無理のないようにしたいです。
と言い言いもう2年近くになるわけですが。
どうしたって無理せずには済まない、ということもままあるとはいえ。
でも本当は無理する必要なんてないのかもしれませんね。自分でそう思いたがっているだけかも。


ポプラが綿毛を飛ばすのを見ました。
柳には柳絮があるけれど?と思って調べたところ、ポプラはやなぎ科のようなので、同じようなことをするのかしらん。(せいようはこやなぎの類の総称、とあった。角川国語辞典より)
白くて小さな綿毛が、時折高い枝からふわんと降りてくるのは風情のあるものです。
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by kobatoyakigashi | 2007-05-21 18:34 | 与太話 | Comments(4)

もぐもぐ

f0131641_0345187.jpgしようと思えばいくらでもある仕事にしばしの間目をつむり、午後は消しゴム判子をほっていました。
今まで使っていたクグロフ柄のが磨耗してしまい、新しいのをほったのですがどうも気に入らない。
あーでもないこーでもないと新たなる絵柄を模索していて、ふと思いついた図柄がこれ。
おかっぱの女の子が「もぐもぐ」とおいしそうに何かを食べております。

このおかっぱ頭の女の子、ついいつも書いてしまうおなじみの子。
塾で作った英単語カードにも出てきたし(子どもにはもちろん「この子だれ?」と不審げに尋ねられた)、蔵書票でも揺り椅子で本を読んでいたし。
そういえば友人のために作った判子にも出てきました。
あなたは誰??と私が訊きたいくらい本当によく登場するのです。

これ気に入っているのですが、進物用の袋にはちょっとおふざけが過ぎるかなぁ…とも思うので、やっぱりもう一つ、きちんとしたのを作るべきかと悩んでおります。
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by kobatoyakigashi | 2007-05-19 22:50 | 店話 | Comments(2)

ヘルシンキのソウルフード(再)

朝、空腹に耐えかね厨房でカルダモンの入ったチャイを作って飲む。
おもしろいことに体調や気分で、日によってとりいれたいスパイスは違うもの。
今日はそれがカルダモンであったらしく、チャイを飲んでもまだカルダモンがほしいような。
よし、ならばシナモンロールを久々に!とこしらえたのでした。

f0131641_20391577.jpgこのシナモンロールは、「かもめ食堂」のパンフレット掲載のレシピです。
なぜカルダモンなのにシナモンロール、と思われるでしょうが、このシナモンロールにはカルダモンが入っているのです。もちろんシナモンも入っております。
北欧ではカルダモンはよくお菓子やパンに使われている、と物の本にはあります。清涼感のある、少し独特な風味をもつスパイス。消化促進や口臭をおさえる薬効があるそうです。
このスパイスを嗅ぐと私はいつも、昔アルバイトをしていたインド料理店のインド人シェフが作ってくれたチャイを思い出すのですがね。
そういえばインド料理を食べた後に、氷砂糖と一緒に口にふくむのはカルダモンではなかったかしらん。それともフェンネルだっけなぁ。

ちなみに店の看板、国際版側の絵柄がカルダモンです(以前にも書きましたっけ)。見えにくいけど。
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by kobatoyakigashi | 2007-05-18 20:46 | 試作新作 | Comments(0)

夏は来ぬ

卯の花の匂う垣根に
時鳥早も来鳴きて
忍び音もらす夏は来ぬ  (佐々木信綱)

というわけで立夏も気づけば過ぎ、暦の上では夏。
(と母に言われて「ぎゃー」と気づいた。夏…。私を含め菓子屋の最も嫌悪する季節…。
いえいえまだまだ初夏ですわ。初夏はえぇよいのですわ。などと往生際の悪い人がここに。)
卯の花も咲く時期です。
そして今こんな花も。

f0131641_21305055.jpg定家蔓の花がちょうどよい具合。
謡曲『定家』に出てくるのがこれじゃ!と祖母に分けてもらったもの。能舞台の作り物では2メートル近くあるのでは。さすがにそこまで茂るにはまだまだ月日が足りません。
もう20年くらいたてば、おそらく。
貰ったときは15cmほどの紐のように頼りない挿し木でしたが、今ではこんなに。

そろそろこの鉢も一杯になってきたようなので、植え替えせねばなりません。
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by kobatoyakigashi | 2007-05-15 21:37 | 与太話 | Comments(0)

クラフトイベントにて

f0131641_0124132.jpg倉敷芸文館広場にて、心おどりまくりのイベントが開催中です。
全国から集まった(集められたというべきか)ものづくりをする作家たちの作品が展示即売されるという、なんとも贅沢なイベントです。木工、漆、陶芸、ガラス、染織・布、金属、再生紙といった分野にわたっています。ワークショップもある。

遠隔地にいると、なかなか個展にも足を運びにくい…というような方々のすばらしい作品がずらずらと並んでいるのを、作った本人の顔を見て話を聞きながら選べるのです。しかも倉敷で。こんな近所で。
去年が初の試みで、今年2回目。
初回の去年は天候が荒れたこともあり、2回目が危惧されましたが、杞憂でした。
ぜひとも大きく育ってほしい企画です。

5月12日(土)・13日(日) 雨天決行
10時から17時まで開催

f0131641_0221637.jpg私も店を午前中閉めて、出かけてきました。

私の手元にもらわれてきたものたち。
あるとないとではがらっとその場の雰囲気を変えてしまう、力のある作品ばかり。確実にこれらは生活の色や質を左右します。直感だけれど真剣勝負の買い物です。
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by kobatoyakigashi | 2007-05-12 22:09 | 与太話 | Comments(0)

羊をめぐる冒険…

f0131641_20511119.jpgひつじの抜き型を買ったので、ひつじクッキー。
断るまでもありませんが、シンプルなバニラのクッキーです。ココアのもある。

型抜きクッキーというのは、お菓子作りに目覚めかけた少女がまず最初に取り組むお菓子。あれこれ型を取り替えて抜くのは楽しいものですが、手間のわりに報われないお菓子でもあります。型抜きクッキーて絶賛されることないですもの。生地をさわる時間が長くなりすぎるのもなぁ。
でもやっぱりかわいいので、たまにはこんなこともしてみました。

もうひとつ、鳥型で抜いた鳥クッキーも販売中です。
ねらったわけではありませんが、友人に「ハルキセット」と言われる。
じゃあこれはねじまき鳥ね、なーんて笑ってしまった。
店の棚には「ナツメグ」と「シナモン」が並んであるし、いたるところに符号は配されているのです。
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by kobatoyakigashi | 2007-05-11 21:04 | 試作新作 | Comments(2)

藤色のマカロン

山の藤や桐が見事です。青い花々のすがすがしいこと。
そんな時季にふさわしく??新作はこんな色のマカロンです。

f0131641_21124816.jpgムラサキというべきか藤色というべきか。源氏物語マカロン…とはいくらなんでも言い過ぎでありますが、5月のマカロンはゆかしい色になりました。
ブルーベリー味のクリームをはさんであります。
あんずのマカロンと仲良く並んでおりますので、どうぞどちらもごひいきに。

2月以来、マカロンも色数を増やし(常には2色までしか同時に出ませんが)、現在5色目。
12色出揃うのは12月ということになります。
さてさて、揃うのでしょうか。自分でも謎。
色を扱うのは楽しいですね。

ただ、寒色を扱うのはやや気後れがしてしまうこともある。
つい「ブリジット・ジョーンズの日記」に出てくる水色のスープを思い出してしまうんだよなぁ。
(寒色を使うときは必ずよみがえる記憶。見るからにまずそうなのに、ニコニコしながら水色のスープをかきまぜるコリン・ファース!イギリス人でなければできまい)
紫芋だとか紫キャベツだとかもやや亜種といえば亜種ですものね、日常の食卓においては。
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by kobatoyakigashi | 2007-05-09 21:32 | 試作新作 | Comments(0)