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木鳩屋雑記

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カテゴリ:課外活動話( 26 )

東京

週のはじめ、2日ほど東京に出かけていました。何年ぶりやら。
店は連休とさせていただきまして、ご迷惑をおかけしました。来てくださった方もいたことと思います。すみませんでした。思うところあり、勉強させてもらおうと麹町、水道橋、経堂、池袋、銀座などあちこちの店に足を運びました。
一番の目的を着いて早々に果たしてしまったので、あとは気のむくまま。そこで目に留まったのが、東京国立博物館における長谷川等伯展、でした。歴史屋ならば行くべし、と上野公園まで。なんと特別展の初日にぶつかりました。我ながら運の良い。

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初期の作品から網羅した膨大な画業。だんだんととぎすまされてゆく画面の最後に「松林図」がたたずんでいました。たくさんの人がじっと無言で、まるで自分の中の深淵でものぞきこむような顔で、画面にすいこまれていた。ゆくべきところまでゆけば、いつかはこんな仕事ができるのか、とただうち眺める。

長谷川等伯グッズもあれこれ販売されておりましたが、平常のミュージアムグッズの中にこんなものが!
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尾形光琳の八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)を模した缶入りクッキー。すばらしいアイデアだ!

小田急で経堂まで足をのばした折、「生田」「読売ランド前」「登戸」など庄野潤三の著書でおなじみの駅名がありましたので電車にゆられついでにそこまで行ってみることにしました。生田の丘はどちら側だろうときょろきょろしたり、読売ランド前に本屋さんがあってそこからフーちゃんとミサヲちゃんが出てきたのだ、などと思い出したりしました。著作の空間を実際に追いかけることで、また本に戻ったとき違う感触でより近い感じで読めるのがうれしい。今、『うさぎのミミリー』を読み始めたところなので、よけいに。

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東京から帰宅すると、こんなかわいい本のプレゼントが届いていた。
子どもむけ科学雑誌「たくさんのふしぎ」。今月号は『ぐりとぐら』の作者による「おかし」。「おかしはきびしい!」「おかしはたのしい!」「おかしはやさしい!」「おかしはこころのメッセンジャー!」「おかしにはなかなおりのまほうがある!」「おかしははたらきもの!」だそう。本当にそう。すてきな雑誌です。
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by kobatoyakigashi | 2010-02-25 23:15 | 課外活動話 | Comments(0)

迦陵頻伽の年賀状

近所じゅうで顔をあわせれば年始のご挨拶、というのもそろそろ落ち着いた頃。日常。と思えば明日から巷は3連休とか。それが終わればいよいよ本当の、と身構えたくなるほどの「閑日」が商店街を覆います。寒いときにわざわざ外出したくはありませんよねぇ、できれば。
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こちらは年賀状に使用の、久方ぶり(カッパ以来)となる消しゴム判子作品。迦陵頻伽(かりょうびんが)という顔は菩薩形の鳥。シンバルのようなものを持っているのは、楽器を奏する鳥ゆえ。極楽浄土にいるそうです。朝鮮の彫刻で「迦陵頻伽立像」というのを参考にしました。
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by kobatoyakigashi | 2010-01-08 21:22 | 課外活動話 | Comments(0)

北と南のヨーロッパ

今日も保存食強化にいそしむ。ブルーベリーをたくさん頂いたので、砂糖とレモン汁で軽く煮詰めてソースに。ヨーグルトやチーズなどのゼリーあるいはババロアなどと合わせて食べるのが王道ながらおいしい。送ってくれた長野の友人曰くブルーベリーは長野ではスーパーマーケットなどにおいても廉価なのだとか。うらやましい。
長野県産の野菜や果物は気候が似ているからだろうがルバーブやあんずやりんごやブルーベリーやセロリなど、ヨーロッパの香りがするものがたくさんある。栗もおいしいし。岡山県(とくに県南)はヨーロッパでも地中海沿岸に近い気候なのでそういった高原作物との縁はうすい。ちなみに枇杷は信州ではあまり収穫できないのだそうです。枇杷の産地って九州ですものね。

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こちらは最近のかご作品。夏のお出かけ必需品かごバッグ。茶色の籐です。お出かけ用にかごを編んだのは初めてだったので配達用などとは違う緊張感があった。失敗は許されないという。しかも早く編まねば夏が終わってしまうという切迫感もあったので急ぎに急いで編み上げた。あーやれやれ。
口が巾着になるように生地を縫いつけ、ひもを通して鈴を結んだ。この生地は頂き物で、浴衣をほどいたものだそう。
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by kobatoyakigashi | 2009-07-21 22:19 | 課外活動話 | Comments(0)

残るもの

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籐細工(私の場合はほぼかご編み)は細々と続けております。自転車のかごを取り付けたところまでは記事にしましたね。それ以降も四角いかごや丸いかごやこまごまと店の備品として使えるようなかごなど、こつこつその数を増やしております。
写真は編みあがったばかりのかご。皮籐という幅広で硬い籐で編みました。硬いのでかたちよくきれいに編むのに骨が折れましたが、なんとかできあがり。いつもよりかなり時間がかかった。しかし残るものを作るときには時間と労を惜しまないでおかねば、完成した作品が以後の時間に長く耐えられまいと思う。趣味とはいえ、作るならきれいなものを作りたいのです。

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こちらは半年ほど前に編んだ毛糸用のかご。籐の継ぎ目がどこからも出ない編み方なので(ふつうは裏側で継ぐので継ぎ目ができる)、毛糸がひっかかりません。羊毛をつむぐ人にと思って編みました。使ってもらえているようでうれしい。
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by kobatoyakigashi | 2009-07-06 22:32 | 課外活動話 | Comments(0)

消しゴム判子の会

私の作った「仏像はんこ」が思いもよらぬところで発端となり、半年近く前から「消しゴム判子の会をしましょう」という計画がひそかに進められていて、先日ついにそれが実現することになりました。おいしいお昼ご飯と珈琲も、と盛りだくさんに楽しむために会場はあきさ亭(倉敷市本町)にお願いしました。
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真剣に消しゴムと取り組んでいらっしゃるみなさま。10時半開始とともにみなすばらしい集中力で気つけばお昼を過ぎていました。

なぜ菓子の作り方はお教えできない(営業秘密という意味ではない)のに消しゴム判子の彫り方はお教えできるのか、それはひとえに言語化ができるかできないかということのような気がします。私が「お菓子教室」なるものと距離を置いている主な理由は、「これをこうするとこうなります」という理路整然とした説明がうまくできず、ほとんど勘の世界で菓子作りをしているからなのだと思います。その勘というのは教えてできるものではなく、する者が動物のようになって感覚でとらえて体得していくきわめて個人的な体験と思っています。料理人が「親方はひとことも説明してくれなかった」と言いますがあれはしようにもできないからなのではないかしら。これは料理や菓子に限らず、おそらくすべての技術や職にあてはまることです。『1Q84』的に言えば「説明しなければわからないということは、説明してもわからないということだ」…ということじゃないかな。

ひととおり彫り終わり、あれこれ作品評などかわして談笑しながら、御題を出しそれぞれの記憶だけを頼りにそれを彫るのはどうかとか、多色刷りを作ってみてはどうかなど、楽しい提案も出ておりました。数人で彫る楽しみ方というのも、一人ではできないものもあり、まるで部活動のようでおもしろそうです。

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こちらは今回の御題(?)「カッパ」。
「御題、カッパです。書いてください」と冗談のつもりで(!)言ったのに、みな真剣に「カッパって耳あったっけ!」とか「口はくちばし??」などカッパ図に取り組んでいらっしゃいました。「アンパンマン」とか「ハットリくん」とかでも結構個人差のある作品になってよさそう。ふふふ。
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by kobatoyakigashi | 2009-06-30 23:14 | 課外活動話 | Comments(0)

曼荼羅したじき

f0131641_23303360.jpg本日の消しゴムはんこは、東寺講堂・帝釈天です。象にまたがっている美男(と「日経・大人のOFF」に紹介されていた)の帝釈天。東寺のものなので当然密教色濃く、眉間に三つめの目はあるし、独鈷杵を握っているし象にものっている。しかしなんでこんなポーズ。

帝釈天は阿修羅とたたかう、武人でもある。なので密教に入ってもトレードマークの鎧をまとっております(右肩の黒っぽいあたり)。
梵天とあわせて梵釈信仰というくらい庶民の味方。寅さんの柴又も帝釈天ですね。

だんだん彫った仏像の種類が増えてくると、仏像同士の因縁やらなんやらかんやらが出てきて、ますますおもしろいです。

そういえば昔、京都国立博物館でだったと思うのですが、東寺国宝展が開催されたときにいくつか仏像グッズを購入していたのですよ。
その中に「曼荼羅下敷き」というのがあって、曼荼羅には金剛界と胎蔵界があるのですがその胎蔵界を買っていたのを、さきほど発掘しました。表が曼荼羅で裏が「諸尊の名称」。曼荼羅に細密に描かれているホトケサマたちの配置とお名前が書かれている。もちろん中心におわしますのは大日如来。それにしてもとても細かい字。
今でもきっと東寺に行けば売っているんだろうなぁ。入試の日本史で「教王護国寺(東寺)両界曼荼羅」というのを暗記していたぞーという記念のつもりで買ったんじゃなかったかな。

京博は大学の近所ということもあり、何せ史学科だし、京博から先生も来てらっしゃるし、特別展はだいたいきっちり見に行かねばという雰囲気がありました。何もないときの常設展ですら何度も足を運んだ覚えがあります。私はさほど熱心な学生ではなかったけれど、それ以上にヒマだったのです。
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by kobatoyakigashi | 2008-08-28 22:01 | 課外活動話 | Comments(2)

如来サマがふたつ

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左が神護寺薬師如来、
右が円成寺大日如来。
そんなに暇なのかと驚かれそうですけれど、暇なのです。ゆえに仏像はんこはしつこく続きます。


本物の神護寺薬師如来像は、怒られているようなきっとした顔に重量感あふれる太腿が特徴。手に薬壺を持っています。
苦手な雰囲気の仏像だったのですが、よくよく付き合うと意外とかわいいやつ、というところまでになるくらい今は結構好きになってしまいました。なかなかこれ!という薬師如来が見つからなくて、いっそ最も苦手なタイプでいってみようと思い。やはり彫ると愛着が湧くようだ。

円成寺大日如来は、ひと目見た瞬間「わっ綺麗!」と言ってしまうような端正な仏像。運慶作ということです。さすがです。
真言宗で拝む仏様三人のうち真ん中の人(あと二人は弘法大師と不動明王)。密教の最尊仏。宝冠や首飾りなど装飾が大変なことになっています。密教はこのじゃらじゃらというかコテコテ感がたまらんのですが、彫るのはねぇー。

これで釈迦如来・阿弥陀如来・薬師如来・大日如来の4名様を彫り終わったことになります。
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by kobatoyakigashi | 2008-08-23 21:07 | 課外活動話 | Comments(0)

仏界のミニタカラヅカ

f0131641_21394276.jpg本日の美術部は、何体目かもう数えるのをやめてしまった仏像はんこです。
法隆寺金堂、天蓋の奏楽天人。

天蓋というとホトケサマの頭上、天井からぶら下っている装飾です。その天蓋装飾に鳳凰や天人があしらわれていて、その中の琵琶を奏する天人。
笛や太鼓らしきものなど楽器のバリエーションはいくつかありますが、みな小さな開蓮の上でちょこんと座り、伏目がちに楽器を奏でている。かわいい。実物はさほど大きいものでないので、そこもまたかわいい感じがする。

先日の奈良国立博物館での法隆寺金堂展で間近に見て、なんてかわいいやつら、これはぜひ彫らねばと思っておりました。『日本仏像史』をめくったら写真が載っていたので、しめしめこれで彫れるとほくそ笑む。

銀色とサンドベージュの2色で捺しくらべてみました。イメージに近いのは、サンドベージュの方でしょうか。
後ろに巨大なものを背負っているところが、ちょっとヅカ(宝塚ね)っぽいような。
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by kobatoyakigashi | 2008-08-17 22:00 | 課外活動話 | Comments(2)

ルリユール

朝、朝顔に水遣りをしていたらシオカラトンボが寄ってきたので、「どーぞ」と人差し指をさしだすとくるくる少し迷ってからちょんととまってくれました。おお、人生初。左手で水遣りしつつしばらく右手にとまるシオカラさんを観察。
マンガなどではよく見たけれど、本当に指にとまるのですね、トンボ。

それからしばらくして出勤途中、山越えの道を走っていたとき、アゲハがぴゅーんとワイパーとワイパーの間めがけて飛んできて挟まってしまい、「あんたそんなとこで!」と思っているうちに程なく飛び立ってやれやれ、ということもありました。
そういえば先日も店に行く途中、黒と青のきれいなアゲハに会ったっけなぁ。年齢とともにだんだん虫が好きになってくるな。

昆虫と戯れているばかりというわけではなく、試作も少しずつ進行中。こちらは追々企画と共にお知らせいたします。

f0131641_21451785.jpg最近、少しずつ製本をするための準備をしています。台を作ったり道具を揃えたり、すっかりホームセンターっ子に。手はじめに、彫りためた消しゴム判子の仏像を一冊にまとめてみました。

赤・青・黒の画用紙3色が表紙で、和とじの「こうきとじ」。タイトルは「仏像はんこ」。左下には「木鳩屋美術部」。これも消しゴム判子ですよー。暇だね俺も。

そういえば私が卒業した大学の卒論は和本に装丁されて返却されてきていました。タイトルと在籍氏名などを規定の和紙に筆ペンなどで書き、卒論と一緒に提出するのです。これはさすがに捨てられずとってあります。今でもそうなのかなぁ??
ちなみに歴史をやっておりましたです。ブンガクブです。

製本は少し前から気になっているもので、本を手に入れたりしてちょっとずつ勉強しています。ルリユールといって、ヨーロッパでは本の中身だけ買って製本・装丁をしてもらうという伝統があるそうです。素敵。栃折久美子さんの本、読みたいなぁ。
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by kobatoyakigashi | 2008-07-27 22:20 | 課外活動話 | Comments(0)

ぐつぐつ

f0131641_239078.jpg店の外に一歩出るだけで、煮えそうな日々。それでも用があれば(銀行など)自転車と麦わら帽子で出かけます。暑いので、できるだけ午前中に外の用事はすませたい。しかし出入りの業者さんたちはたいてい午前中においでになる…難しいところです。

本日の消しゴムはんこは、東寺講堂の梵天(ぼんてん)。

梵天とはバラモン教の最高神ブラフマーのことだそうです。それが日本の仏教に取り入れられて梵天になったらしい。
この「取り入れる」という行為が仏教界ではどうやらかなり頻繁に行われていたようで、あれもこれもそれも!という感じでアメーバ的な広がりを見せています。
懐が深いというか、神も仏も混ぜ混ぜでごっちゃごっちゃとゆるーい感じもして、よくわかっていない私にとっても何となくおもしろい。

元来、中国貴紳のいでたちだったのが、密教(真言宗といってよいと思う)に入ってからこんな姿になったのだということです。鵞鳥に乗ったり手が増えたり顔が増えたりしているということです。
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by kobatoyakigashi | 2008-07-22 23:29 | 課外活動話 | Comments(0)