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木鳩屋雑記

kobatoya.exblog.jp

カテゴリ:与太話( 104 )

高遠本の家

お正月あけの恒例冬休暇に、信州へ行きました。目的は高遠・本の家。イギリス・ウェールズにある本の町ヘイ・オン・ワイのような町を日本にも作ろうとしている人たちが始めた、まず一軒目の古本屋さん。今はなき関西情報誌「エルマガジン」でその名を初めて知ったのはいつのことだったか。そのときから、こんな場所にいつか行くことができればいいなとずっと願っていました。最初の場所から一度移転をして今の場所になったようです。「高遠に行く(行った)」という話をすると皆が口をそろえて「あぁ、桜で有名なあの」という反応を示す。しかしあえて桜の季節ではなく冬、桜の花ではなく本の店のために。高遠は雪であった。ぱりんぱりんと音がしそうなほどの寒さとふわふわの雪が舞い積もる中、その店はありました。なんとここまで来れてしまうものなのだ、と静かに動揺するわたくし。
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しかし本屋ほどするりと落ち着く店はないのです。まず外の均一本をじいーと眺めて選び、店内へ。ひとつひとつの棚をゆっくりと眺め一冊抜き取り、ページをめくりまた戻しということを繰り返す。本屋にならば、いつまでもいつまでも居られてしまう。ゆらりゆらりとおいしいカフェオレなど飲みながら本を読み、ドアの外に目をやると雪がびゅうびゅう横に吹いていたり青空がぱきりと映えていたりと見るたびに違う景色。

「小さな町で車を止めてコーヒーを飲み本を読む」というまさに友部正人さんの世界であった。そんなことができるなんて、なんと贅沢な旅だったことでしょう。帰り際に見た、店の前で堅実にたたずんでいる二宮少年のてのひらには、本ではなく雪が積もっていました。
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by kobatoyakigashi | 2009-01-13 22:37 | 与太話 | Comments(0)

今は無き丸善京都河原町店のための

七草も終わるとさすがに初詣客はほとんどいなくなり、学校は新学期になり町から子どもの姿が消え、ましてや冬のさなかに観光客という人種はきわめて少なく、今日の倉敷えびす商店街は静かでした。とっても。
来週を連休にするので、日数調整のため本日は営業。はかどる作業。来客数が少ないと集中できるというところはよいのだけれど、作業に没頭しているのだか思索に沈み込むのだかよくわからないところまで自分の殻の中に入ってゆく感じもして、たまに誰かと話すとなんとなくほっとする。相対的な生き物なのね、と思うのはこんなとき。

f0131641_20532826.jpgレモンの原種というものを頂いていたのを、マーマレードにしてみた。以前にも貰ったことがあるのだが、レモンはもともとグレープフルーツのように大きいのだそうです。小さくすっぱくなっているのは品種改良の結果だと聞きました。なのでほぼ原種というグレープフルーツ大のレモンはさほどすっぱくありません。甘くもありません。どう使うかしばし考え、無難そうなマーマレードに。

しかし思いのほかレモンのマーマレードは苦味が勝つようです。皮と同量程度の砂糖でよいかしらと煮てみたところ、にがい。砂糖、にがい、砂糖、にがい、砂糖・・・と何度か繰り返してようやく味が調いました。あーにがかった。ちゃんと茹でこぼさなかったのがまずかったのかな。あくはとったんだけども。
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by kobatoyakigashi | 2009-01-07 21:19 | 与太話 | Comments(2)

年末満喫

年内営業が終了した後、年末恒例の大掃除がありました。友人を呼びつけてここぞとばかりこき使います。売り場は一任して、私は主に厨房内の換気扇付近、アブラ汚れでネトネトになっているところを集中的に取り組む。こまめに掃除しているつもりでも、着実に蓄積されている汚れ。普段換気扇をはずして洗ったりまではなかなか手がまわらないので仕方ない。しかし重曹の力でほとんどぴかぴかになるのが嬉しいところ。たっぷり掃除した後は、ささやかにラーメンで労をねぎらって帰りました。

f0131641_15143678.jpgさて、今年は29・30・31と3日もある年末休み。こんなことは滅多にないので、家の片付けや掃除を思うさましました。いつもぎりぎりまで店を開けているので、家のことは後回しなのです。中途半端に不完全燃焼のまま年明けを迎えるばかり。しかし今年は違う。窓ふきもできたしカーテンも洗ったし部屋の掃除もばっちり。言うことなし。おやつだって作ってしまいます。

f0131641_1515396.jpgブラウン・ベティという名のある、煮たりんごの上にそぼろをかけて焼いたお菓子です。あつあつを食べるのが一番なので人数がそろうのを見計らって焼き始め、ちょうどよく出すことが大事。ほかほかのりんごをたくさん食べられるお菓子で、レモンやシナモンなどのスパイスが加わることもあり、とても元気が出ます。大人数のデザートに、大皿から給仕するととても喜ばれると思う。

家のオーブンを使うのは久しぶり。ちゃんと働いてくれたのでよかった。業務用の機材に慣れると、家庭用というのはなんとはかなく頼りなげなものかと思う。これでよくやってこれたものだ。そうだった期間の方が長いのに、うまく思い出せないくらいになってしまっている。
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by kobatoyakigashi | 2008-12-31 15:48 | 与太話 | Comments(2)

食いしん坊話

最近、油揚げを直火であぶったものにおろし生姜と醤油をかけて食べることのうまさに目覚めた。しかもこの場合の油揚げは近所の豆腐屋Kのでなくてはだめで、スーパーマーケットの油揚げでは表面がかりっと中がじゅわっとならずおいしくないのだ。これまで油揚げをうまいと思ったことはあまりなかった。だいたいいなりずしやきつねうどんの甘がらく煮付けたか、味噌汁の実としてのふにゃふにゃの油揚げしかなじみがなかった。しかし網で焼く油揚げはうまいです。ぜひおいしい油揚げを探してやってみていただきたい。ついでに言えば、醤油もおいしいのを使うとよい。私は近所のS田屋のを使います。

土鍋でごはんを炊いて食べる回数が極端に増えたため、店での昼食は米飯中心の献立になりました。コメとくればツユというわけで、ごはんとお味噌汁が基本になって、納豆や海苔や漬物がちょちょっとあればもうじゅうぶん。そこに件のあぶり油揚げの生姜醤油なんてあれば、何もいりません。いたって粗食。燃費のよさには自信があります。今ちょうど新米が出回っている時期なので、もうコメがうまくてたまりません。いくらでも食べられてしまうですよ。

今年は気がつけばなぜか鍋を3つも購入してしまっていたので、ごはんを炊くとかスープをつくるということがすごく楽しくなりました。機能的な道具や作業場があるということは、やはりそれだけで作り手にとって何か大きな力になるように思います。
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by kobatoyakigashi | 2008-12-16 22:46 | 与太話 | Comments(0)

森の国へ

f0131641_2145418.jpg森の国を訪ねてゆきました。滋賀県甲賀市にあるギャラリー兼カフェ、マンマミーアへ行ってきました。ちょうどクリスマス展「森の国から」がはじまったばかり。岡山から高速道路をかっとばして4時間ほどの、茶色い葉っぱがかさかさいう景色の山々と田園にかこまれた空気のきりりとすがすがしいところ。信楽にも近く、信楽焼のたぬきを道ぞいの焼き物屋でたくさん見ました。ふくろうやかえるもいた。

いつ頃からマンマミーアを訪ねてみたいものだと思い始めたのか定かでないけれど、関西方面に出かけるたびに目につくDMには、「マンマミーア」というギャラリーが書かれていたような気がします。
それでなんとなく覚えていて、カフェもあるということがわかってきて、どうやらなかなかの奥地にあり、木造の古い校舎に手を入れてギャラリーとカフェにしたということを知ったのでした。

マンマミーアは穏やかで気持ちのよい場所でした。どうやらご近所のご隠居さんたちも贔屓にしているらしく、畑仕事をしている感じのちょっと年配のおじさんおばさんたちがコーヒーとケーキをおいしそうに食べて楽しそうにおしゃべりしていました。窓の外を見ると、遠くに山がかすんで、近くの畑で畑仕事をしている。「あーあれうちのお父さんやわー」なんて言っていたりする。まーのどか。と思いながらおいしいお茶を飲みタルトを食べる。よい時間でした。

展示は陶磁器・ガラス・木工・漆・布・染色・絵画・紙・金属の作家たちのものを集めたもの。クラフト、ですね。作られたものたちの、しんとしたたたずまいが素敵でした。さんざん迷ったけれどなんとか一つにしぼって、入れ子のお皿を買いました。買うものを一つにしぼるのは、私流の仁義です。なんのこっちゃ。

f0131641_22195262.jpgさてこちらは木鳩屋。ようやく出ましたクリスマス菓子のジンジャービスケットとミンスパイ。これでようやくクリスマスが迎えられる。

去年もおととしも作ったはずなのに、型はどれを使っていたかとか手順はどうだかとか1年もたつと記憶がかなり曖昧。1年過ぎるのが早い早いと思うけれど、1年は1年分毎年同じ分量で過ぎている。記憶の薄れ加減で納得する。
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by kobatoyakigashi | 2008-12-05 22:28 | 与太話 | Comments(2)

クリスマスじたく

店の駐車場に着くやいなや、いつもの黒猫が車に向かってたたたっと寄ってきた。ドアを開けて車から降りるとじっとこちらを見上げる。この人は「クロさん、おはよう」と言うと「にゃー」と律儀に返事をする。でも「寒いね」とか会話を続けようとしても、それ以上の「にゃー」は絶対に言わない。見るだけ。気が向くと撫でさせもする。そうでないときはふいと避けてしまうか、猫パンチが出る。もしかして車の中に入ってしまうかなと思いながらそのまま開けておいたが、猫はふーんといった様子でちらと運転席を一瞥してすぐささっと車の下にもぐってしまった。雨が降り出したので、雨宿りしたかっただけなのかな。もし車に乗ってしまったら連行されると予測したかしら、とか考えながら店に向かう。もし乗っていたら、今日はそのまま営業せず帰宅していたかもなとも思ったので、やっぱり乗ってくれなくてよかった。人生は常に分岐点だな。

f0131641_23285933.jpg先日のお誕生日ケーキ。栗と洋梨のショートケーキです。珍しくクリームを絞った飾りに。クリスマスケーキの飾りを今年はどうするか…とごにょごにょ考えながら。クリームが苦手な私にとっては、できるだけクリームは少ないほうがありがたいので、なんとなく避ける絞り出し。でもやっぱり華やかなので、お祝いとかクリスマスとか、華やかな演出のためには必要かも。ここにも分岐点。

今日ようやく、クリスマス菓子のシュトレンを焼くことができた。ここ数日、そろそろ焼かねば焼かねばとじりじりしていたのだ。しばしの熟成期間を経て、お目見えする予定です。お楽しみに。やっぱり黒猫が車に乗らなかったのは、よかったのです。ちぇっ。
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by kobatoyakigashi | 2008-11-24 23:42 | 与太話 | Comments(0)

あんこめぐり

f0131641_22251942.jpg先日、ご来店のご婦人に「あなたのとこはこういうのないの?」と言われて示されたのが、この『備中・倉敷 あんこめぐり』というタイトルのついたパンフレットでした。「あんこでつなぐ、ふるさとの絆」というサブタイトルまでついています。賞品つきのスタンプラリー台紙になっていて、ちょこっと値引きしてもらえるクーポンがついています。まぁつまるところ饅頭(和菓子というとやや高尚すぎる気がする)を販売している店店(その数なんと42!すごい!)をつなげて提示し、観光ついでに饅頭を楽しんでもらおうという主旨のようです。どこで手に入るのだろうと謎でしたが、思いがけない店で手に入りました。

基本的には、最中とか団子とか餅とかたいやきといったおやつ系、ふだんの手土産につかうような気さくなタイプのものを集めているようです。そして都合のよいことに、今季の私はものすっごく餡子ものが食べたい口になっているのです。少し前までは、甘いもの全般に食べたくない感じだったというのに、最近は違う。餡子食いたい食わせろ!という状態。珍しいことです。ですので、このあんこめぐりスタンプラリーとやらにも、かなり心ひかれているのでありました。がつがつと餡子を食べつつスタンプを集めようと思います。

ちなみにこのパンフレットは、倉敷市周辺の駅やお饅頭屋さんなどで入手できます。
倉敷あんこめぐりホームページなんてのもあります。
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by kobatoyakigashi | 2008-11-20 22:51 | 与太話 | Comments(2)

ホッカイロ療法

腰も背中も肩も首も足も痛いんだよーというような泣き言を人に訴えたときにまず頂戴するのは「運動をしなさい」というお言葉。菓子を作るのは運動ではなく、とても局地的な筋トレという動作のくりかえしなので、自分でも運動不足なのはよーくわかっている。

しかし先日遊びに来た古い友人と、「2時間じっと座って勉強しろって言われるほうが、2時間運動しろって言われるよりよっぽどまし」とかいう話をしてうなずきあってしまうくらい、私は体育が昔から大っきらいなのだ。したくもない運動をするのになぜ着替えたくもない体育着に着替えねばならん?とずっと憤りを覚えていた学生時代。今さら運動なんかできるか。でも泳ぐのはさほど嫌いではないから、プール通いをまた始めるか。

そんなことを思っていたら、ある人に「とにかく温めなさい!」と言われる。曰く腰から足にかけて痛いところにそってホッカイロをいくつも貼るのがよろしいとのこと。熱いのではないのか、と思うが、患部は熱さを感じないのだという。どれどれと思い、貼ってみることにする。腰の後ろに一つ貼ってみたところ、すごーく気持ちいい。右腰から足のあたりも痛いので、そこにも貼る。あわせて二つ。驚いたことに温度を全然感じない。もちろん熱くもない。手で触ってみるとカイロはちゃんとあったかいのに。

その状態で一日働いたところ、痛みは依然あるものの、なんとなく体がほかほかして動きがよい。気分もなんということはないけれど爽快。店じまいの時間になっても、明日用に豆洗って水にひたしとこ、あ、天然酵母のパン生地も作っといちゃお、とかいうことまですいすいできる。
しかも驚いたことに、朝はくしゃみをすると腰にびしばしひびいていたのが、夕方には全然平気になっていた。すごいぞホッカイロ。

おかしい。豆料理の話を書こうと思っていたのに、ホッカイロの話で終わってしまった。でもそれくらいいいようです、あたためるというのは。湯治なんかも温泉の水質だけじゃなく、あたためるという治療なのだろうなぁ。
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by kobatoyakigashi | 2008-09-27 21:08 | 与太話 | Comments(2)

くしゃみをしても

昨日の夕方頃から、どうも腰の痛みが尋常でない。ストレッチを念入りにしてみても(最近まじめにストレッチに取り組んでいる)、のびるところはのびてやわらかくなっているのだけれど、腰はやっぱり痛い。痛い箇所が、ここが痛いのはなんだかまずいんじゃ?というようなところ。
すると今日になって、くしゃみをすると骨盤にひびくようになった。相変わらず腰の痛みはおさまらず、中腰で物を持ち上げるのがこわくてできない。立ったまま床のものを拾うとかが機敏にできない。しゃがんでよっこらしょ。
まずいなー。
とはいえ、現在進行形で治療中なので、とりあえず来週までの2、3日はなんとかしのぐことにする。くしゃみも極力浅くなるようにせねばならん。おばあさんですよ、もー。やーね。

f0131641_21163834.jpg衝動買いした豆のうち、グリーンレンティルを使ったキッシュを作りました。黒っぽいぷつぷつしたのがレンズ豆です。

ベーコン、たまねぎ、にんじんの刻んだのと茹でたレンズ豆を炒めて煮たものをパイ皮に詰めて、生クリームと卵をあわせたものを流し込んで焼く。フランスのお惣菜。チーズを使っていないので、わりにあっさりしています。

レンズ豆はすぐやわらかくなるので、思い立ったらすぐ調理できるところが重宝。しかも淡白なのに味が深くておいしい。

豆料理をするために、辰巳芳子さんの『ことことふっくら豆料理』という本を読んでいるのだが、レシピ本であるうえに料理する際の心掛けも言葉よくしっかり書かれていて、とてもよい本。さやえんどうのすじを取るときに、先端のあの愛らしい形を残すようにすじを取ってほしい(この本は写真があまり掲載されていないのに、すじをとる手順は写真数葉を使って解説されている)という箇所には、辰巳芳子さんの食材に対する細やかさに目の覚める思いがした。
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by kobatoyakigashi | 2008-09-19 21:39 | 与太話 | Comments(0)

カラフルな豆たち

f0131641_2218693.jpgちょっと昔のクウネルなどをぱらぱらめくっているうちになんだかとても豆料理を食べたくなってしまって、こんなに衝動買いをする。

数年前の一時期、豆にはまっていた頃があってそのときも豆や豆料理の本などをざくざく衝動買いしたことがある。もっといえば和菓子作りにはまっていた頃にも小豆や白花豆をばんばん買って餡子ばかり作っていた。粒餡より漉し餡のほうが手間がかかるのであえて漉し餡を作ったりしていた。上生菓子である「ねりきり」はまず白の漉し餡を作ることから始まる。豆は準備や手間をかけて食べる食べ物なので、そういうまわりくどさにはまっていたのかもなと思う。食べたいからというのが作る動機だったが、作業の過程が洋菓子とは全く違っていたのが新鮮でおもしろくてしようがなかった。

ひさびさに買った豆は、外国産のカラフルなもの。上からひよこ豆、レンズ豆、グリーンレンティル(レンズ豆)、緑豆、ムングダール(緑豆の皮をむいたもの)、ピンクレンティル。
レンズ豆とひよこ豆を食べたくてそれだけ買うつもりが、なぜか緑豆などまで。思いがけず色がいろいろあったものだからつい欲張った。緑豆というとはるさめとかの材料になるあれです。どうやって食べるかはこれから調べねばなりません。


f0131641_22444835.jpgこちらは先日のお誕生日ケーキ。
N.Y.チーズケーキお誕生日仕様。

生クリームで飾ったりするよりは、焼き色そのままに緑とあわせるのが綺麗と思う。
これはミント。
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by kobatoyakigashi | 2008-09-17 22:54 | 与太話 | Comments(0)