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木鳩屋雑記

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刺し子の風呂敷で包む

もう一年近く前のことになりますが、縁あって一つのちいさな硯が手元にやってきました。それ以来この硯にあわせて水滴や墨などをぽつぽつ買い集めながら、さて硯箱はどうしようとずっと考えていたのです。書道具屋などに行けば既製のものは手に入りますが、それもなんだかねと二の足を踏んでしまう。水滴を作る陶芸の人がいるのなら硯箱を作る漆芸の人や木工の人もいるのではないかしらんとなんとなく探しながら日々を過ごしておりました。何も尾形乾山のようなきらびやかな硯箱が欲しいわけではありません。おそらくは一生に一度しかしない買い物になるであろうから焦らず流れにまかせて自分の直感がすべてという気持ちで、どういった形になるのが硯にとってよいのか考えながら、待ってみよう。

f0131641_2130340.jpgそしてそれを具現してもらうことができました。

奥山貴之商店さんによるもの。しっとりした黒にぴしりと真っ直ぐ走る細い赤がきいている。手文庫のような茶箱のような、抽斗つきの硯箱にしてもらいました。蓋をあけると中皿があってそこには、硯のための浅い溝が用意されている。なんとありがたいことであろう。

f0131641_21303064.jpgさて次に気づいたのが、この方は出しっぱなしにしておくわけにはいかぬ、この硯箱をくるむ布が要るのではないかということでした。

そこで紺とくすんだ水色の布を真四角に縫いあわせて端っこだけ刺し子にして、風呂敷を作りました。真ん中には雲の刺し子。裏表にあるので、どちらの色で包んでも雲を真ん中にするとちょうどよく包めるように。

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    紺で包むとこのように、
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    水色で包むとこのように。

    紬と似た風合いをもつ布で、
    いなせな雰囲気があるような。

    硯一つから、ようやく全体が形になりました。
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by kobatoyakigashi | 2009-02-08 22:19 | 与太話 | Comments(0)
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