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木鳩屋雑記

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高遠本の家

お正月あけの恒例冬休暇に、信州へ行きました。目的は高遠・本の家。イギリス・ウェールズにある本の町ヘイ・オン・ワイのような町を日本にも作ろうとしている人たちが始めた、まず一軒目の古本屋さん。今はなき関西情報誌「エルマガジン」でその名を初めて知ったのはいつのことだったか。そのときから、こんな場所にいつか行くことができればいいなとずっと願っていました。最初の場所から一度移転をして今の場所になったようです。「高遠に行く(行った)」という話をすると皆が口をそろえて「あぁ、桜で有名なあの」という反応を示す。しかしあえて桜の季節ではなく冬、桜の花ではなく本の店のために。高遠は雪であった。ぱりんぱりんと音がしそうなほどの寒さとふわふわの雪が舞い積もる中、その店はありました。なんとここまで来れてしまうものなのだ、と静かに動揺するわたくし。
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しかし本屋ほどするりと落ち着く店はないのです。まず外の均一本をじいーと眺めて選び、店内へ。ひとつひとつの棚をゆっくりと眺め一冊抜き取り、ページをめくりまた戻しということを繰り返す。本屋にならば、いつまでもいつまでも居られてしまう。ゆらりゆらりとおいしいカフェオレなど飲みながら本を読み、ドアの外に目をやると雪がびゅうびゅう横に吹いていたり青空がぱきりと映えていたりと見るたびに違う景色。

「小さな町で車を止めてコーヒーを飲み本を読む」というまさに友部正人さんの世界であった。そんなことができるなんて、なんと贅沢な旅だったことでしょう。帰り際に見た、店の前で堅実にたたずんでいる二宮少年のてのひらには、本ではなく雪が積もっていました。
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by kobatoyakigashi | 2009-01-13 22:37 | 与太話 | Comments(0)
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